メタボと喫煙

メタボ健診は特定健診と呼ばれていて、2008年4月から義務化されました。これについては始まった今でも賛否両論あるようです。義務化の背景には、生活習慣病にかかる可能性を早期発見し、適切な指導を行なうこと、病気を未然に防ぐためという目的があります。そして将来の医療費を抑えることを狙ったものです。これらの目的に異論をとなえる人はほとんどいないと思います。しかし、この取り組み方が果たして適切なのかどうか、というと疑問が残ります。

一番の疑問は、健診受診率やメタボ減少率に改善が見られなかった場合にはペナルティーが科せられることです。これは、メタボと診断された個人に直接罰則金が請求されるわけではありません。健診を行なう医療保険者にかかる負担金が増額されるものです。個人に負担させるのではないから、良いようにも思えます。また、この負担金は後期高齢者医療への支援金です。しかし、負担金はメタボ健診を進めるためのペナルティーであるとされると、「メタボ=肥満」と短絡的に認識されている社会では、太っている人が疎外される風潮になってしまわないかという不安が生まれます。

この制度が存在するために保険料が上がったりしようものなら、「あなたがいるから保険料が高くなる」などと、太っている人に対して不満を言う人も出てこないとも限りません。

そんな中、メタボと同様に生活習慣病に大きく影響を及ぼすものとして挙げられているのが「喫煙」です。喫煙は肥満と違い、本人のみならず、周囲の人も巻き込んで健康に害を及ぼすことは周知の事実です。国を挙げてメタボ対策に乗り出す前に、本来なら、喫煙対策を行なうほうが妥当だったのではないかと思えてきます。

しかし重要なのは、メタボ対策が優先か喫煙対策が優先かという議論より、個人個人が自分の身体の問題として、自分で気をつけていくべきだということです。義務化されたメタボ健診を積極的に受け入れ、健康習慣の改善に役立てていきたいものです。





Posted by shizuoka2008. at 2008年07月31日21:11




削除
メタボと喫煙